長崎教会LOVERS
河村規子さん
企画・編集事務所の代表。キリシタンの本を編集したことがきっかけで、教会を訪れることがライフワークになった。
ステンドグラスの光から始まった教会巡り。
長崎の悲しみや苦しみさえも包み込むような、
マリアさまの美しく優しい微笑みに、心なごむひととき。
またひとつ、河村さんの大切な時間が紡がれる。
ふと訪れては、歴史と祈りに安らぐ
10年ほど前に、長崎のキリシタンをテーマにした本を作ることになりました。取材で訪れた外海の黒崎教会のステンドグラスの窓から差し込む光がとても幻想的で、いまでも忘れられないんですけど、あれが【教会LOVERS】になった瞬間だったのでしょうか。出津教会がある出津地区では、貧しい人たちを救うために生涯を捧げたド・ロ神父の偉業に心を動かされました。教会の美しさは、尊い信仰や歴史あってこそのものです。
長崎の歴史や文化は、キリスト教と関わりのあるものが多く、教会を訪ねることで、より深く長崎を感じることができます。大浦天主堂と浦上天主堂が有名ですが、市内には30以上のカトリックの教会があるんですよ。建物の造りもそれぞれで、訪れるたびに新たな発見や感動があります。私自身はカトリックではないのですが、マリアさまの美しくて優しい表情が大好きで、見ていると心が安らぎます。いろんなマリアさまがありますしね。クリスマスには、外にイルミネーションが施され、中にはイエスさまが生まれた馬小屋が飾り付けられていて、行くのが楽しみです。教会は、だれでも受け入れてくれるようなウエルカムな雰囲気なので、心静かに過ごしたいときなど、ふと訪れてみるのもいいのではないでしょうか。
教会を訪れると必ず出会うマリア像。美しくて優しい表情が大好きで、見ていると心が安らぎます。
芸術作品にも出会える空間
教会は、祈りを捧げる場であるとともに、美しい芸術作品に満たされた空間でもあります。「神の船」をイメージして建てられたという城山教会では、聖水板に映った神秘的なステンドグラスや、美しい油絵に心打たれました。
白亜の姿に秘められた愛と歴史
ビルの合間から、白亜の十字架をのぞかせている中町教会。長崎らしい風景ですよね。明治に建てられた最初の教会は原爆で倒壊し、奇跡的に残った尖塔と外壁を生かして再建されました。信徒さんの愛を感じます。ステンドグラスも素敵です。
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教会は、横から眺める風景も良いと思いませんか?ステンドグラスの窓や装飾も凝っていて、建築的な見どころが多いんです。