長崎出島ばらいろLOVERS
岳下哲児さん
長崎市三京町で「長崎和牛・出島ばらいろ」を飼育する農家の後継者。頭数は200数十頭。広く明るい畜舎にクラッシック音楽を流しながら、ストレスのない上質の牛を育てている。
全国に誇る長崎市のブランド牛肉「出島ばらいろ」
これぞ!と選んだ牛を、365日、真心込めて世話する日々は
生きものを相手にする難しさと愛しさにあふれている
祖父と父から受け継いだものも、大きく、おいしく育てながら
顔も性格も違う牛たちと向き合って
牛は祖父の代から飼っているので、物心つく前から牛がいる生活でした。「出島ばらいろ」っていう名前は、自分が小学生のころに決まったんです。肉のきれいなバラ色と、焼肉で人気のバラ肉が厚いっていうこと、長崎の出島が、江戸時代にもお肉が食べられていた歴史を持っているとか、そういう意味が込められています。で、長崎和牛の「出島ばらいろ」を育てているのは我々の仲間8軒だけなんですよ、貴重でしょ(笑)
自分も畜産業をやってみようと決めたのは、18、19歳くらいの時ですかね。まぁ、自然とそうなったというか。牛はずっといましたから、「出島ばらいろ」が誕生する前から【出島ばらいろラバーズ】だったと言ってもいいかもしれないです。
五島や天草などの市場から、「この子は!」と思う子牛を買って、220キロくらいのが800キロくらいになるまで、2年くらいかけて育てます。生きものだから、ものも言わんし、具合悪いのを見落とせば死んだりもするし、人間の赤ちゃんと一緒ですよね。こちらが気付いてやらないといけない。性格も一頭一頭違うんです。おっとりした子もいれば、暴れるヤツもいる。でも、どの牛もみんなかわいい。生きている間はストレスなく、しっかり育ててあげたいし、それが肉のおいしさにもつながっていきます。2012年の全国和牛能力共進会で日本一になってから、全国的にも注目されて、知名度も上がってきたところ。全国の人に、もっと「出島ばらいろ」のおいしさを知ってもらいたいです。
愛情いっぱい、家族とともに
家族みんなで作業することも。掃除が行き届いた牛舎には、優しい音楽とのんびりした時間が流れている。「なついている牛は自分の子どもみたいに可愛いです」と岳下さん。牛の体調を見極めながら、きめ細やかな世話が続く。
牛から学ぶコト
子どもたちもお手伝い。知らず知らずのうちに、色んなことを学んでいるのだろう。
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「今日の具合はどう?」ちょっとした体調不良も見逃したくない。
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いつも牛がいる生活を、子どもたちも楽しんでいる。四代目は誰かな?
鮮やかなおいしさを目指して
長崎和牛の中で1割程度と希少性が高い「出島ばらいろ」。うちも含め8軒の農家がおなじ飼料を使い、飼い方を研究しながら、さらなる品質の向上を目指しています。霜降り具合だけでなく、脂身と赤身、それぞれのおいしさが際立っているのが特徴なんですよ。
「長崎和牛・出島ばらいろ」取扱店情報
http://dejimabarairo.com/dealer.php