長崎はじっこLOVERS
武次亮さん
長崎市でタウン誌の会社に8年勤務後、2016年に独立。いろんな制作物やイベントの仕事を手がける一方で、長崎市南部地区をターゲットにした情報誌を発行。
インターネットで情報があふれている時代だからこそ
ほんとうに血の通った地元発信のメディアが必要なのかもしれない
生まれ育った町をあらためて知りながら作る雑誌が
情報だけじゃない、人と人のつながりも生み出しつつある
本を作ることで、もっと地元が大好きに
長崎市の南部地区限定のフリーペーパーを発行しています。その名も「はじっこ」。ネーミングは、仲良しのデザイナーさんと「南部でやってみようかなー」「こがんはじっこで当たるかねぇ?」「え!『はじっこ』って良くない?」ってノリで決めました(笑)。僕自身、長崎市南部の町で育ったんですけど、僕も含めて、住んでいる人たちは「南部はなんもない」って言う人も多くて。でも、それじゃいつまでも変わらないから、地元密着の媒体を作ってみようと思ったんです。はじめに「好き」があったわけじゃなくて、本を作りながら、改めて親しみが湧いてきて、じわじわと【はじっこLOVERS】になっていってる感じですね。
以前は、タウン誌の営業を8年くらいしていました。そこで実感したのは、ひとくちに「長崎」と言っても、生活のエリアはもっと細かく分かれているということ。しかも大抵の情報はインターネットで検索できる。だったら、もっと地元に密着した媒体こそ望まれているのではないかな、と。他県ではすでにかなり細分化されたコミュニティプレスとか、ウェブサイトとかあって、素敵なんですよ。そんなの見てたら、どんどん自分で作りたくなってきて、とうとう独立して起業しました。創刊してから1年半くらい経つんですけど、反響があってうれしいですね。配布先ではだいたい2〜3日で無くなっているし、クーポンを使う方も多いみたいです。紹介したお店が、別の企業の目に止まって取引が始まったということもありました。そんなふうに、「はじっこ」をきっかけに、もっと地域の可能性が広がってくれればいいですね。生まれ育った地域には大好きな仲間もたくさんいます。子供の運動会とかに行ったときに久しぶりに同級生に会ったりするんです。そんなとき地元(=南部)ってやっぱりいいなって思うんです。
自分たちの町を面白く
同級生が店を開いたり、取材先に子どものころのサッカーのコーチがいたり。そうやってふたたび出会えた人たちと、自分たちの町を面白くしたいと思うんです。ネットでの展開や、広い駐車場を利用して車を使った「トランクマーケット」なんてイベントも予定しています。
長崎人の思い出スポット?
やっぱり、一番は脇岬かな。取材の途中とか、考えごとしたい時とか、いろんなときに立ち寄ります。長崎の人なら、子どもの時の海水浴とか、大きくなってデートしたりとか、取り立ての免許でドライブしたりとか、いろんな思い出があるところですよね。