長崎ペンギンLOVERS
田﨑智さん
長崎ペンギン水族館に就職し、ペンギン飼育の担当になって11年。約180羽いるペンギンの顔を見分け、性格も把握しながら日々愛情を持って飼育に励んでいる。
子どもの頃から生き物が大好き
飼育種類世界一を誇る、長崎ペンギン水族館で
一羽一羽のペンギンたちと向き合い、時につつかれながら
命を育て、暮らしを見守り、次の世代へバトンをつなぐ
主役はペンギン!しっかり脇役をつとめたい
子どものころから昆虫や魚が大好きでした。水産系の大学に行って魚の勉強をして、水族館への就職を目指していたら、運よく長崎ペンギン水族館の職員募集があり、入ることができました。でも、水族館なのに、ペンギンは鳥類、魚じゃない(笑)。最初はペンギンについてわからないことばかりでした。だからこそペンギンに興味がわき、かわいく思えて、どんどん好きになって言ったのかもしれませんね。魚と昆虫が好きなのは今でも変わらないんですが、それ以上に【ペンギンLOVERS】です。
ペンギンって、ほんとに一羽一羽、性格が違うんです。ペンギン同士の社会があって、小競り合いもするし、好きなメスに振られると食欲が低下したり、ボーッとしているようですが、意外にたくましかったり。人間と同じです。約180羽いますが、ほぼ見分けはついています。調子悪そうなのは、顔を見ればすぐわかりますよ。
長崎ペンギン水族館では、地球上に生息している18種類のペンギンのうち、9種類を飼育しています。飼育種類の数は世界一です。昭和30年代に南氷洋の捕鯨船に乗ってきたペンギンに始まって、長崎は日本のペンギン飼育の先駆けの地。旧長崎水族館時代から40年近く生きた「ぎん吉」の39年9か月の飼育記録は、いまも世界最長で、大変貴重な資料です。これからは飼育技術の向上や研究などを進めて、海外も含めたほかの水族館との連携や信頼関係を作っていきたいですね。最近では、外国からのお客さんも多いんですよ。もっとたくさんの種類のペンギンを、より野生に近い姿で見てもらえるよう、がんばります。
人間同士のような付き合い
仲のいいペンギンは、すぐに寄ってきて甘えたりもするんです。でも「前はそうだったのに、彼女ができて僕にはつれなくなった」みたいなこともあるんです(笑)。ほんと人間みたいですよね。
愛らしい表情のペンギン
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「たくさんいるけど、ほぼ見分けはついています」と田崎さん
水中を“飛ぶ”ペンギンの美しさ
日本では最大級のペンギンプールです。陸上のヨチヨチ歩きからは想像もつかない、まさに“飛ぶ”ような姿で泳ぐペンギンたち。「ペンギンって鳥なんだなあ」と実感します。