長崎外海くらしLOVERS
林絵里花さん
外海地区で割烹料理店を経営しながら、外海の美味しさを広く発信しようと、特産品開発にも取り組んでいる。
人の知恵と歴史、自然の豊かさに根ざした外海の暮らし
当たり前だと思っていたものは、とても大切な宝物だった
梅干しに、教会に、星空に、それはたっぷり込められている
できるだけ受け取って、楽しんで、次の世代に伝えたい
外海だからこその暮らしがある
海で釣ってきた魚をおかずにしたり、山ではタケノコ掘って、畑で野菜つくって、その野菜で漬け物つくってご近所さんと交換して……子どものころは、そんな生活が当たり前でした。実家は長崎市中心部から車で約1時間の外海(そとめ)地区にある割烹料理店です。7年前、父の他界により25歳という若さでお店を継ぎ、最近では外海の食材を使った加工品などのブランドを立ち上げました。その中で、あらためて外海の人たちや心豊かな生活に接して、これはすごいなぁ、と。いわゆる「田舎暮らし」のイメージよりもっと大きな枠組みで、地域と人と自然が共にある感じ。だから私は【外海くらしLOVERS】なんです。
毎日が楽しいですよー。お店もやりつつ、四季それぞれ、ウニ獲りに山菜採り、梅干しや味噌をつくって、たくさん大根もらえば漬け物にして、釣りに行く人がいれば船に乗せてもらって(笑)。子どものころに当たり前だったものには、いままで外海で暮らしてきた人たちの歴史や知恵、生活や生産の仕組みまでもが全部詰まっているのだと気付きました。明治時代にド・ロ神父が作り、育ててくださったそうめんやパスタ、建物などの文化や歴史も、まだ息づいています。それらを知る人が活動的なうちに、できるだけ受け継いで、次の世代に伝えていきたいんです。だから、何をするにも娘に手伝ってもらうし、夕日や星がきれいだったら声をかけて一緒に見ることで、その一瞬を感じて欲しい。そうやって、外海の暮らしをまるごと楽しんで、伝えていくことで、たくさんの人に訪れてもらって、若い人が住んでくれたらいいなと思っています。
なんでも作る、その過程が面白い
自家製梅干しのおにぎりはおいしいです!味噌汁の味噌も自家製。作り方は近所の方に教わりました。そんなことも含めて娘にも外海の暮らしを伝えていきたいと思っています。
手づくりの梅干しと味噌をおにぎりに。懐かしくほっとする味
いつでも心安らげる場所です
教会は、子どものころから生活の一部。娘も熱心にミサに通っています。聖歌が好きで、子守唄にしていたからかもしれませんね。黒崎教会の信徒であるということは誇りでもあります。ステンドグラスから光が差し込む風景は、本当にきれいで、感動しますよ。
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外海の海岸から望む角力灘に沈む夕陽は、県内屈指の絶景